花とウタ

オアシスを夢想

突っ込め、パーセキューション!

メイトくんはいざとなったら絶対あたしを捨てるんだわ。普通に言ったつもりだったのにかなり刺々しい言い方になってしまって、あああたしはメイトくんが好きなんだなあと改めて思う。


「カイコそれどういう意味」
「まんまだよ、メイトくんはあたしかメイコちゃんならメイコちゃんを取るでしょうってこと」


怪訝そうにするメイトくんに出来るだけ怒気が含まれないよう気をつけて返す。メイトくんはお姉ちゃん大好きだもんね。厭味なことを思いながら、深呼吸して気持ちを落ち着ける。こんなメイトくんを好きになったあたしがいけない。メイトくんを責めるのはお門違い、本来はあたしがひとりぐるぐるして終わるべきだった。ぐるぐる。ああでも、メイトくんを責めちゃってる今、こんなことでうじうじしてても仕方ないよね。
メイコちゃんが羨ましいなあと思う。あたしはメイコちゃんに嫉妬してる。メイトくんには一番に私を選んでほしい。あたしはメイトくんが好き。なんて単純明快。


「ねえメイトくん大変、メイコちゃんがカイトくんに浮気されて泣いてる」
「嘘だ」
「うん、嘘」


嘘。ねえメイトくん大変、あなたの大事な恋人があなたに捨てられそうで泣きかけです。なんで気づけないのかなあ。あたしはこんなに好きなのになあ。
あのなカイコ。メイトくんはあたしの頭に手を乗せて、何度か撫でてくれる。俺はそんなんじゃないとでも言うつもりならお断りだわ、そんなの、メイトくんじゃない。


「俺はカイコが思ってるほどメイコのこと好きじゃねえよ」
「嘘、約束しないで良いからメイコちゃんよりあたしを大事にしてよ」
「してるって」
「嘘、大嘘、メイトくんは嘘つきだわ」
「嘘なんかついてねえよ」


じゃあこのぐるぐるした気持ちは何なのよ。メイトくんが好きなはずなのに、訳わかんない。











突っ込め、パーセキューション!
(もうやだいらいらする!)
2010/09/09
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