花とウタ

「愛してる」


メイコちゃんは僕にもたれながらそう言って、僕はメイコちゃんをただ撫でてあげることでそれに返事した。愛しむように目を細めながら、もう何も思わないことにしてるけれどと思ってしまう。メイコちゃんは撫でられるだけで満たされてしまうから、僕はいつも置いてけぼりだ。


「愛してる」


ねえ、目なんて閉じないで。
メイコちゃんは知ってるのかなと思う。コンプレックスらしい少し傷んだ髪ではなく、白さが浮き立つ頬を僕が撫でてること。気づいてくれなくても良いのだけど。だけど。好ききらいだいすき、ごちゃ混ぜの感情が撫でること以外の行動を許してくれない。ねえメイコちゃん、お願い判って。愛してるなんて陳腐な言葉に酔わないで。もう少し僕を見て。
目を閉じれば闇になり、そこにメイコちゃんの言葉が突き刺さる。


「ねえカイト、愛してるわ」


ねえ、目なんて閉じないで。








Who is SUICIDAL
(覗いた闇の縁に飛び込める強さなんて僕にはない)